こんにちは。FXの鬼、ジャンヌです。
プロスペクト理論について記事を書くのは避けていたんです。
あまりに有名すぎてみんな知っているだろうし、実践重視の僕としては、
「そんなググったら分かる教科書みたいなこと書いてもなあ。』と躊躇がありました。
でも、どうもプロスペクト理論をトレードに応用できてない人が多いようなので、
僕なりにトレードに結びつけて解説したいと思います。
なお、プロスペクト理論についてはウィキペディアにも載ってますので、ご参照下さい。
ところで、カマキリって、水見たら飛び込んで死ぬのをご存知でした?泳げないのに。
これは、ハリガネムシに脳を乗っ取られて意識してないのに飛び込むんですよ。こわ!!
FXトレーダにとってのプロスペクト理論も同じです。
みんな意識してないのに負ける方に飛び込んじゃう。
回避する方法は『俺、今飛び込もうとしてる!!やめなきゃ!!』ととめることです。

今日も始めます!今日は有名なプロスペクト理論だよ!
まとめ
- プロスペクト理論は人間の本能に働きかける
- それはいろいろな負けにつながる行動に出る
- プロスペクト理論に勝つにはトレードをルール化すること
プロスペクト理論とは
理論的な説明はウィキペディアに譲るとして、
僕が言いたいのは、プロスペクト理論とは人間の本能(感情)を説明した理論であり、
まとめると【人間は合理的には動かない。】ということが書いてあります。
↑
ここ大切。
FXでもワザワザ負ける行動を取ってしまう。ということ。
もちろん今読んでくれてる読者もそうです。
有名な事例があります。
質問1
以下の選択肢があった場合、あなたはどちらを選びますか?
1.100万円が無条件で手に入る。
2.コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
質問2
あなたは200万円の負債を抱えています。
そのとき、以下の選択肢があった場合、あなたはどちらを選びますか?
1.100万円が無条件で減額され、借金が100万円になる手に入る。
2.コインを投げ、表が出たら借金がゼロになるが、裏が出たら借金は200万円のまま。
このとき、どちらの質問も、経済的価値(期待値)は1を選んでも2を選んでも変わりません。
なのに、質問1では選択肢1を選ぶ人が大半、質問2では選択肢2を選ぶ人が大半という結果が出ています。
この説明は1を選んでも2を選んでも同価値なので、ちょっとわかりにくいのですが、以下のように変えても結論は同じです。
1.90万円が無条件で手に入る。
2.コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
この場合、明らかに選択肢1の方が期待値は低くなりますが、1を選ぶ人が多い。
要は人間の本能はこうなっているということです。
【確実な利益が好き。確実な損失は嫌い】
だから質問1の場合、
『もらえるかもらえないか分かんない200万円より、確実にもらえる100万円の方が良いや』
となり、質問2の場合
『元々あった借金だし、ワンチャンゼロになるならそっちに賭けよう』
となります。
これがプロスペクト理論の重要な要素【損失回避性】。損が嫌いって本能です。
もう2つ重要な要素があります。【感応度逓減性】と【参照点依存性】
感応度逓減性とは、損益の価値は金額が大きくなればなるほど小さくなる。言い換えれば鈍感になるということです。
給料が3万円上がったときと、5万円上がったときではそんなに感動が変わらないという理論です。
例えば、コンビニでサラダを買うときはグリーンサラダにするかコーンサラダにするかすっごく迷うのに、車のカーナビオプションはホイホイ高い方を買っちゃうとかありませんか?
要は小銭に敏感で、大金に鈍感なのが普通の人間なのです。
参照点依存性、これは今回のテーマにあまり関係ないので詳しくは書きませんが、
物の価値というのは絶対的なものじゃなくて、相対的ということです。
例えば、10万円のコートが30%オフならすっごく安く感じちゃうアレですね。
結局長くなってしまいましたが、ここまではプロスペクト理論の説明です。
どこでも載っている情報なので、僕が書く価値は特にありません。
僕が書きたいのはここから。
プロスペクト理論がなぜトレードの邪魔なのか
損切り(ロスカット)できない
これは初心者の間は本当に良くあります。
損失回避性が働くので、含み損は我慢ができるんですが、それを決済ボタンを押して実現損にすることが我慢できない。
実は含み損も実現損も経済的には同価値。
あなたの資産は決済ボタンを押しても押さなくてもすでに減っています。
損切りが出来ないトレーダーに勝ってるトレーダーはいない。事実です。
損切りが早すぎる
損切りが出来ないというメンタルが「損切りが早すぎる」という行動に出る方がたまにいます。
本質は損切りできないことと変わりません。
僕には理解できないのですが、おそらく、「ここまでは損じゃない」「ここまでは自分的にOKな損」というラインがあって、そこに到達するのが怖くて傷が浅いうちに降りちゃおうという精神状態なのではないでしょうか。
損切りが早すぎると勝率が異常に低くなり勝てません。いわゆる損切り貧乏です。
また、このタイプは一定のラインを超えて損失が膨らむと、更に極端に損切りできなくなり、行くところまで行ってしまうことが多いです。
損失が増えたときにヤケクソになってしまう
ある程度負けが込んできたら、もうここまで負けたらいくら負けても一緒という気持ちになり、全財産賭けて勝負してしまう。
当然そんな勝負で勝てるわけもなく、すっからかんになって退場してしまう。
そこで踏ん張ってたら浮上の目もあるのに。
お祈りトレード
損切りせずに損失が大きくなった場合、突然チャートを見るのを諦めて『上がれ!』『下がれ!』というお祈りトレードを開始することがあります。
そうなるともうシグナルやインジゲーターを頼りに決済することが出来なくなるので、我慢できる限界までポジションを保有することになります。
ロスカットされて冷静になったときには手遅れ。資産の大半を失っています。
利益を伸ばせない
実はプロスペクト理論において最も大切なのはこれ。
ストレスが掛かるのは、実は含み損が出てる時ではなく含み益が出てるときなのです。
そのストレスは含み益が伸びてから縮んできたときにマックスになります。
何故なら、確実な利益が好きというプロスペクト理論においては、
ベースとして利確したくてたまらない上に、
利幅が狭くなってきたら損失に転落するのが耐えなれないために、
絶対にプラスのうちに利確しようというメンタルになります。
ですので、建て値に近付けば近づくほど決済ボタンを押したい衝動が大きくなり、
結果利益がほとんどないところで利確することになる。
これがプロスペクト理論による行動で最も注意しないといけないことです。
プロスペクト理論に打ち勝つために
プロスペクト理論を正しく理解する
自分のこの気持ちは、自分だけに発生するものではなく人間の本能によるものなので逆らえないと自覚することです。
自覚すれば、俯瞰してというか、客観的に自分を見ることが出来ます。
『あ、今プロスペクト理論発動中!』
と思えれば、案外スルーできたりするものです。
アクションをルール化する
プロスペクト理論は人間の脳の働きを理論化したもの。
簡単に言うと、気持ちの問題です。
でも、だからやっかいなんですね。
でも、気持ちでトレードしなければプロスペクト理論が発動しようが関係ありません。
要はルールを決めてルール通りやれば良いんです。
トレードのマイルールを決めよう!
とよく言われるのには、そういう理由があったんです。
プロスペクト理論が発動するシーンは多くはロスカットに関係するものですから、
ロスカットはルール通り、理屈通りにやればいい。
これだけでかなり改善します。
利益を伸ばせない。
これをルール化は難しいのですが、メンタルトレードをしないということでしょう。
メンタルトレード=気分でボタン押すこと。
気分で押すからプロスペクト理論に負ける。
要はチャートのシグナルや、ターゲット値でのみ利確する。事前に決めておくんです。
自分のトレードを可能な限りルール化することで、プロスペクト理論の発動を抑える。
これしかありません。
最後に
プロスペクト理論はFXで9割の人が負ける理由たりえるくらい、トレードの邪魔をしてきます。
出来るだけ発動しないようにルール化する。
発動しても客観的に自分を見る。
こうすることで勝ち組に近づくのです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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