みなさんはプロスペクト理論をご存知でしょうか?
プロスペクト理論は心理学用語の一つなのですがFX取引に大きく関わっています。
FXをするにあたってプロスペクト理論を知らないトレーダーは利益を出せないと言っても過言ではありません。
ただ、この記事をご覧になっている方の中には
「プロスペクト理論とはそもそも何かわからない…」
「プロスペクト理論とFXがどう関わっているの?」
「FXをしていく中でプロスペクト理論にどう対処すればいいの?」
このようにお考えの方もいるでしょう。
そこで今回はプロスペクト理論について解説したのち、FXでプロスペクト理論を回避する方法について徹底解説していこうと思います。
FXをこれから始める方も、もうすでにしている方も役に立つ情報なので必ず最後まで読んでいってくださいね。

今日もプロスペクト理論を学んでいこう!
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論とは、確実性の低い環境下での意思決定の際に、感情による影響によって非合理的な行動をとってしまう人間の性質を提唱したものです。
人の意思決定をモデリングしたもので、マーケティングやFXなどの投資をする際に応用されています。
まずは2つのプロスペクト理論の型をみていきましょう。
リスク回避型
プロスペクト理論は大きく分けて2つの種類に分類できます。
まず一つ目はリスク回避型です。
一つ具体例を見ていきましょう。
例えば、以下の2つの選択が可能なの時にどちらを選ぶでしょうか?
A:確実に30万円もらえる
B:サイコロを振って偶数がでたら100万円もらえる。ただし、奇数が出たらお金はもらえない
Aでは30万円が利益になる一方、Bは2分の1の確率で100万円が得られます。
つまり、Aでは期待値が30万円なのに対してBでは期待値が50万円なるという意味です。
普通に考えればBの選択肢を選ぶほうが高い利益を得られます。
ただ、人間はいつでも合理的に考えられるわけではありません。
多くの人が、「1円ももらえないリスク」を回避するためにAを選んでしまいます。
これがプロスペクト理論における「リスク回避型」です。
損失回避型
次は損失回避型です。
こちらも具体例を見ていきましょう。
例えば、以下の2つの選択が可能なの時にどちらを選ぶでしょうか?
C:確実に30万円没収される
D:サイコロを振って偶数がでたら100万円没取される。ただし、奇数が出たら没収されない
Cでは30万円の損失になる一方で、Dでは2分の1の確率で100万円の損失が出ます。
つまり、損失の期待値を計算するとCでは30万円なのに対して、Dでは期待値が50万円なるという意味です。
もう言いたいことはわかりますよね?
こちらの場合でも合理的な判断ができず、損失を回避するために多くの人がDを選んでしまいます。
これがプロスペクト理論における「損失回避型」です。
FXでの非合理な取引をプロスペクト理論で解説できる
FXでの非合理な取引もプロスペクト理論で解説できると言えるでしょう。
よく含み損が膨らんでいるにもかかわらず損切りをできないトレーダーがいます。
FXの経験があまりない方なら「なぜそんな非合理な行動をしてしまうの?」と疑問に思いますよね。
でもおそらくほとんどのトレーダーが損切りが遅れた経験があると思います。
「損を取り戻したい」
「負けを認めたくない」
「そろそろ流れが変わるかも」
このように感情に流され合理的な判断ができなくなってしまいます。
また、含み益を抱えた時にも同じことが言えるでしょう。
トレンド継続のシグナルが出ているのにもかかわらず、
待ちきれなくてかなり早い段階で利益を確定してしまうケースがあります。
「利益を早く確定したい」
「今出ている利益を失いたくない」
このように考えてしまい利確が早まってしまうのです。
プロスペクト理論を知らないと利益が出せなくなる
FXで利益を大きくするためには利益が大きく損失が小さいトレード戦略を考える必要があります。
そのため、損切りにせよ利確にせよ、取引を終わらせるタイミングはFXにおいて非常に重要です。
しかし、先述したように感情に流されたままでトレードをしてしまうと利益が小さく損失が大きくなってしまいます。
これではうまく利益を出せません。
FXを始めるにおいて対処しなければならないのは「プロスペクト理論」で提唱されている人間の性質なのです。
FXでプロスペクト理論を回避するには?
それでは、FXでプロスペクト理論を回避するにはどうすればいいのでしょうか?
プロスペクト理論を回避するためには以下の2つのポイントを必ず抑えてください。
- エントリーポイントとエグジットポイントを明確にする
- エントリーしたら取引画面を閉じる
エントリーポイントとエグジットポイントを明確にする
トレーダーならトレードを開始する前にトレードプランを考えると思います。
「どのシグナルが出たらエントリーする」
「ここまでレートが下がったら損切り、逆に上がったら利確する」
ある程度経験を積んだトレーダーならそれなりの根拠を持ってトレードに臨めるでしょう。
しかし、実際にトレードを始めるとあれこれ考えてしまって行動が鈍くなってしまいます。
この「あれこれと考えてしまう」のが利小損大への入り口となるのです。
トレードでは機械的に行動を起こすのが多くの場合最善手となります。
そのためにもエントリーポイントとエグジットポイントを明確にしなくてはなりません。
何も考えずにエントリーポイントにきたらエントリーし、エグジットポイントにきたらエグジットする。
これさえできれば必ずプロスペクト理論を回避できるでしょう。
エントリーしたら取引画面を閉じる
何も考えずに行動を起こすと言いましたが、これはかなり難易度が高いです。
ただ、FXでは「指値注文」「逆指値注文」が存在します。
「指値注文」「逆指値注文」とは、要するに自動的にエントリーし、
自動的にエグジットしてくれる機能です。
この機能を使うことによってプロスペクト理論が怖くなくなります。
根拠づけたエントリーポイントへ指値を設定し、エグジットポイントに逆指値を設定します。
エントリー後は取引画面を一旦閉じればチャートの変動で悩むことはありません。
エントリー後、予想通りにレートが動けば利確。
思逆方向に相場が動いてもストップロスが機能して損失を最小限で収まります。
慣れてくれば取引画面を閉じる必要もなくなりますが、最初のうちは試しみたほうがいいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、プロスペクト理論について解説したあと、
FXでプロスペクト理論を回避する方法について徹底解説していきました。
プロスペクト理論は人間が生まれながらに持つ性質であり、回避するのはそう簡単ではありません。
- エントリーポイントとエグジットポイントを明確にする
- エントリーしたら取引画面を閉じる
この2点を実践して利大損小を実現できるトレーダーを目指しましょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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